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愛執染着

第2章 王子様の秘密


「ん…………」

身体を起こしてみると、外はもう明るくて朝になっちゃったと思った。

それにしても腰周りが痛くて、お腹の下あたりがドロドロと重たい。

「澪ちゃんおはよ」

「うん、」

咄嗟に背中を向ける。今は顔を見れそうにない。昨日の出来事は夢なんかじゃないんだと思い知らされた。

「こっち向いてよ」

「私帰る」

誰があんたなんかの顔見るのよ!!急いで床に落ちてシワのできた制服や下着をかき集める。そういえば学校帰りだったことも思い出した。

そのまま、ベッドの上で服を着終えてショーツも履き終えた。スカートを履こうとおもいベッドを降りた瞬間、ズキンと腰が痛んで崩れ落ちてしまった。

「あー。腰痛いんだ。立てないでんしょ?」

「い、痛くないし。立てるもん」

そっと立とうとしたけど、やっぱり腰が痛すぎて足に力が入らない。

何も出来なくて座り込む。

「あはは。やっぱ痛いんだ。素直に認めればいいのに」

ベッドを降りて私と目線を合わせるように屈んだ。なんであんたはそんなに平気そうなの。

「誰のせいでこうなったと思ってんの?」

「昨日は激しかったもんねー。澪ちゃんもすごい可愛かったなあ?」

煽るみたいにそう言ってくる霧島。本当に腹が立つ。

「ねえ、また名前で呼んでよ。碧って」

「絶対呼ばないから」

「まあ、呼ばせるまでだけど」

頭にはてなが浮かぶ。呼ばせるまでってなに?またこういう事するつもりなのこいつは。だってこれっきりって最初に言ってたのに。

「意味わかんないし」

「で、澪ちゃんはどうやって帰んの?」

そうだった。忘れてた。
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