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愛執染着

第2章 王子様の秘密


***
ゴムを口で破って手馴れた手つきで自身に装着している。無駄のない引き締まった身体が目に入って恥ずかしくなる。それと同時に遂に始まっちゃうって思い知らされるんだ。

「澪ちゃんのなかでイキたい。だめ?」

いつもみんなの前でする王子様みたいな顔。優しく聞かれて少しときめいてる自分がいる。頭ではわかってるのに、拒まなきゃいけないのに。どうしてうまく言葉が出てこないの?

「やっ………待って……………」

「まあ何言われてもやめる気ないんだけど」

いつもの意地悪な霧島に戻ってしまった。今までの対応が嘘みたいで悲しくなる。どん底に落とされた気分で、また泣きたくなってしまう。

「きっつ…………。処女膜破ってる感じする」
ぐぐっとモノが押し進められる。異物感と痛みが身体を襲う。痛みで意識が飛びそうになる。裂けるような鋭い痛み。息が詰まる。

「むり、そんなのはいんない……………」

多分霧島には聞こえていない。声も張れなくて、掠れた声しか出てこない。

「見て?俺のどんどん飲み込んでくよ。痛い?」

「痛いっ、こんなの死んじゃう」

シーツを握りしめて痛みに耐える。力を振り絞って出した声は、幸い霧島の耳に届いたみたいだった。でもすぐに霧島の顔は歪んで、嫌な予感がした。

「ごめん。もう無理」

「へ…………?んう!?」

ずくんって。奥まで突き刺さった。痛くて、声も出なくて。霧島だけが楽しんでるみたいだった。

「ほんっとその顔興奮する。ふふっ、痛いね?」

「っ〜〜〜〜〜」

ぱちゅぱちゅって、腰が打ち付けられて。その度に痛みが走る。でも、気持ちいいが見え隠れしてるの。おかしいこんなの。どうかしてる。

「澪ちゃん見てるといじめたくなるんだよね。こんな趣味無かったはずなのになあ?」

「はぁ、はぁ、んん、…………」

脳がうまく働かない。言語能力が低下してる。

「痛い?そうだ。おくすり飲む?一緒に気持ちよくなろうよ」

「は………、くすり?」

不穏な単語が聞こえたんたけど。聞き間違いだよね?
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