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愛執染着

第2章 王子様の秘密


体が動かない私を見て痺れを切らしたのか、ベットから立ち上がり私の方へ向かってくる。

「いい加減にしてくれる?流石にうざいんだけど」

「ちょっとまって……、」

「待たない」

強引に手を引かれて、そのままベッドに手首を押し付けられる。身動きが全く取れなくて、霧島がすごく冷たい顔をしている。怖くなってじんわり涙が出てくる。

「泣いてんの?」

「ちがっ……泣いてない」

「結構そそるんだわ、その顔。もっと泣いてよ」

すぐに息苦しくなって、気づいた時には唇を奪われていた。くっついては離れての繰り返し。十分に頭に酸素が行き届かなくてぼっーとしてくる。

途端に口付けが深くなっていく。舌を絡め取られて、思考を溶かされるみたい。身体から力が抜けていってしまう。甘い吐息だけが口の隙間から漏れている。

やっと唇が離れた時、酸素を取り込もうと息を吸い込む。こっちは酸欠なのに霧島の方は息は乱れていない。私ばっかりが翻弄されて惨めだ。

「すっごいえろい顔してんね」

「そんな顔してな…………んっう」

いつの間にかリボンはなくなってて、きっちり止めていたボタンも少し外されていた。霧島は露わになった私の首筋に吸い付いた。

「やめてって…………!ふっ、ぅあ」

みっともない声が出そうになって奥歯をかみ締めて、声を押し殺す。こんなの、こいつの思うツボだから。

「気持ちいい?首にちゅーされんの」

「気持ち、よくなんか………」

半ば無理やり行為に及んだのに。感じてしまったら私の負け。絶対に認めてなんかやらない。

「ははっ。素直な口聞けるようになるまで躾てやるよ」

霧島の甘い顔は、怒ったような顔に変わる。終わった、と思った。私は何かしでかしてしまった?
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