第2章 王子様の秘密
(最悪だ……………)
LHRの時間。急遽行われた席替え。前々から委員長が話し合っていたらしく丁寧にくじまで用意されていた。
私たちは何も聞かせれていなかったから、驚く人も多かったんだけどみんな席替えしたかったみたいで喜んでいる人がほとんど。
私的には今の席がかなりお気に入りだったので密かに席替え反対派だった。
順番にくじを引いていって、ついに私の番。お願いだから霧島くんとだけは隣になりませんように!!
そう願いながら引いた番号は14番。窓側で端っこの席。場所としては最高だ。
しかし問題は隣の席の人。
「澪ちゃん何番だった?」
「私ねー14番!」
「そっかあ。離れちゃったね。私3番だったの〜」
仲のいいあやかちゃんとはかなり席が離れてしまった。
「あ、でも澪ちゃんの隣って…………」
「霧島くん何番だったー?」
思わず耳をすませてしまう。
「僕はね15番だよ」
は?
「待って、私の隣ってもしかして霧島とかいう男」
「うん。そうみたいだよ」
最悪だ。人生終わった。明日から不登校だわたし。
あれから漫画みたいな「席変わってくれる?」みたいな展開もある訳なく。
机の移動が始まって、1番恐れていた自体に陥ってしまった。
「よろしくね小林さん」
私は声も出なくて、頭を軽く下げた。
もうこの笑みが恐ろしくてたまらない。