第2章 グランドライン
「ちょっとやってみようか。トントンでI、トンツートントンでL、ツーツーツーがO、トントントンツーでV、トンでE、ツートンツーツーでY、もう一回ツーツーツーでO、トントンツーでU。つなげて読むと『アイ・ラブ・ユー』になる」
の手を握って言ったペンギンにローが能力で空樽を落とした。
「何教えてんだ!」
「純粋な講義ですよ!」
「トンツーの基本なら普通は、トントントン、ツーツーツー、トントントンで『SOS』だろうが!」
「最初に教えるなら愛の言葉かと思って」
「救難信号だろ!」
そっちのけでケンカが始まり、はベポに尋ねた。
「トンツーでガルチューはなんて表現するの?」
「うーん……」
困ってベポはに抱きつき、頬ずりする。
「これでガルチュー、かな?」
可愛らしいベポのごまかしに、もベポに頬ずりして「ガルチュー」と笑った。
「……キャプテーン、応答ありましたけど。どうしますー?」
ひたすら旗を振り続けていたシャチが報告する。
「向こうはなんて言ってる?」
「交渉に応じる、って。その割になんか、大砲の準備してるっぽいんですけど」
「こっちも大砲の用意しとけ。終わったらはそのまま船室で待機だ」
「もー、私だけ仲間はずれ……」
「適材適所だ。船長命令が不満か? 決闘するか?」
「キャプテンに勝てる気しないもん。従いますとも。そんなにまでしてスカート履きたいんでしょ」
「ちょっと待て! なんの誤解をしてんだ!?」
ローだけでなく、まさかの女装疑惑にクルーたちまで慌てふためいた。
「キャプテンまさかそんな趣味が!?」
「ねぇよ!」
「だって女物の服がほしいんでしょ?」
「普通に考えて用だろ!」
「……ですよねー」
納得したクルーとは裏腹に、はひどく驚いた。
「私? 服ならあるよ?」
ペンギンからもらったツナギをつまんでは言う。