第8章 セブタン島
非力なの両手はベッドに押さえつけられ、ノックアウト必須のキスをされた。
(ずるい……)
結局最後には全部キャプテンの良いようにされてしまう。でも好きだから、大好きだから抵抗なんてできなくて、気持ちよくて、何も考えられない。
「イきそう……っ」
「どこが気持ちいい? この辺か?」
「ぁ……っ!!」
奥のいいところを探り当てられて、激しく突き上げられ、声も出せずには達した。目が奥がチカチカして、体がふわふわ浮きそうで、そこをまた激しく突かれて、泣きじゃくってまたイく。
「奥まで痙攣してる。大丈夫か、。しんどくないか」
喋り方を忘れて、は泣きじゃくってローに抱きついた。なだめるように背中をさすられ、やっと「ちょっとまって」と声が出る。
「ああ」
声は優しく、守るように抱きしめられて、また泣きそうになった。
(キャプテンのこと好きすぎてどうにかなりそう……)
つながっている安堵感をつなぎとめたくてキスすると、ぎゅっと抱きしめられた。
「そろそろ俺も限界だ。動いてもいいか?」
「ん……でもまたすぐ、イっちゃうかも」
「なるべくゆっくりするから」
再び押し倒され、包帯の巻かれた指にそっと彼の指が絡みつく。それだけで胸がいっぱいになって握り返すと、「痛くないのか?」と小さく彼が笑った気配。
「……キャプテン、あのね」
「ん?」
それを言うのはすごく恥ずかしかった。でも彼のことが好きで好きで仕方なくて、顔が熱くなるのを感じながら、は小声でささやいた。
「あのね、またすぐイっちゃうかもしれないけど、もう待たなくていいからめちゃくちゃにされたいの。もっと乱暴にして大丈夫だから――」
息を呑んだ音がして、「ああもう」と彼は低くつぶやいた。
「より悪い女はいないな」
「えー。悪いこと言ってないよ」
濡れ衣には抗議したが、キスによって封じられ、あとはろくに言葉を発する機会はもらえなかった。
叫ばないと正気を保てないくらい快感が強くて、好きの気持ちはどんな媚薬よりもすさまじい。
(肌も肉も全部なくなればいいのに……)
どんなに溶け合うような錯覚をしても、それらに阻まれて別々であることを認識してしまうから。