第8章 セブタン島
63.海軍の作戦
翌朝。ローは差し込む陽光のまぶしさで目を覚ました。
(カーテン閉め忘れたな……)
そんなこと気にする余裕もないくらい、ずっとに夢中だったから。
まぶしさなんか感じないは、ローの隣でまだくーくーと可愛い寝息を立てている。
(さすがに今日は言うこと聞かないとまずいだろうな……)
まだ起きたくないので能力でカーテンを閉めながら、ローは昨夜の自分を反省した。
結局プールどころか、食事もルームサービスで済ませて、部屋から一歩も出ずにずっとを抱き続けた。
は文句を言わなかったが、それはキスやら色々でローが言葉を封じたからだし、最後はイきすぎで泣きじゃくって完全に正気をなくしていた。起きたら絶対、責められる気がする。
(これじゃプールも無理そうだな……)
起こさないようにそーっとの体を確かめると、とても水着じゃ隠しきれないくらい、全身にキスマークが付いていた。
限度があるだろと昨日の自分に言いたい。舞い上がってて何言っても無駄だろうが。
「ん……」
身動ぎして覚醒する気配に、思わずローは寝たふりした。
寝ぼけているのかは付近を触って首を傾げた。そして隣に寝ているローに気づき、なぜかびくっとして、顔に触れようと手を伸ばしては不安そうに戻すのを繰り返す。
(……? 何やってんだ?)
薄目を開けながら様子を見ていたローは、いぶかりながらも、がどうするのか気になって寝たふりを続ける。
やがて彼女は包帯の巻かれた手でそっとローの顔に触れ、やっとほっと息を吐いた。
ひげを撫でなれ、思わずローも声を上げる。
「くすぐったい」
「キャプテン。……起こしちゃった?」
「いいや。何してたんだ? イタズラか?」
指先を捕まえてキスしながら尋ねると、は「違うよ」と強めに否定した。
「隣で寝てるのがキャプテンじゃなかったらどうしようと思って……」
冷水を浴びせられた気分だった。