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白夜に飛ぶ鳥【ONE PIECE】

第8章 セブタン島




◇◆◇


「軍資金はできたな。、プールのあるホテルに泊まれるぞ」
「キャプテン泳げないのに?」
「雰囲気だ。だってどうせなら豪華なホテルに泊まってみたいだろ」

 目が見えないはきょとんとして首を傾げた。

「ホテル泊まったことがないよ」
「ならなおさら、最初の体験は大事だろ」

 の手を引いてセレブ向けの宿泊施設に向かいながら、ローは浮かれてしまうのを止められなかった。

「海軍に追われてるのにこんなにのんびりしてていいのかな?」
「逆にこっちに潜伏しちまったほうが見つかりにくい。観光街でバタバタ大捜索なんてしちまったら貴族からクレームが来るからな。ログが溜まるまでホテルでのんびり身を隠そう」
「みんなには内緒で?」
「ああ。バレるとうるさそうだからな」

 ガードが硬そうな門番のいるホテルを選び、ローはと二人分を偽名でチェックインした。

「すごーい。床がベポみたいにふかふか」
「、ロビーで絨毯撫でるのは勘弁してくれよ」
「しないよー。今は手が痛いもん」
「痛くなくても我慢してくれ」

 高価そうな絨毯の敷かれた中央階段を登り、ローはフロントでもらった鍵の部屋へ、を連れて向かう。

「……?」

 部屋に入ってもの反応はイマイチだった。

「でかい窓ガラスがあって、海が見える。景色はすごくいいが、にはあんまり関係なかったな」
「しばらくここに泊まるの? ええと……」
「右がバスルーム。正面がテラス。左にベッド」
「覚えるからちょっと待って」
「慌てなくていい。手を貸そうか?」
「大丈夫」

 見えないは手探りで空間を把握し、歩数を数えて距離を測る。
 ベッドに座ってローはそれを待っていたが、すぐに耐えられなくなってを能力で取り寄せた。

「わ! キャプテン!?」
「全部後にしよう。部屋は逃げないから」

 抱きしめてキスすると、は笑った。

「私だって逃げないよ」
「逃げないもの二つならが優先に決まってるだろ」
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