第2章 グランドライン
「あ、雪」
にガルチューしていたベポが空を見上げて呟く。
白い息を吐いて、船長は温情を出した。
「、今日はもう終わっていいぞ」
「もう少しだからやっちゃうわ」
「……そうか。ならベポ、毛皮貸してやれ」
「アイアイ、キャプテン……て無理だって!」
どうあっても貸せそうにないベポを見てペンギンが提案した。
「キャプテンが頭の毛皮貸してやったらどうですか」
これか、と船長は帽子を触り、顔をしかめる。
「これは俺のアイデンティティだろ」
「……?」
そろって首を傾げるとベポと見て、ペンギンが適当に説明した。
「要は本体ってことでしょ」
「えー!? キャプテンの本体は帽子なの!?」
「ええっ。じゃあ、なくしちゃったらどうなるのっ?」
信じてしまったベポとを見て「どうすんだ」と言わんばかりの顔でローはペンギンを見た。
「なくしても目つきの悪いチンピラになるだけだから大丈夫大丈夫」
「おい」
ペンギンの雑さはどうしようもなく、オペオペの実でも治せないので、ローは諦めて下甲板に下りるとに帽子を貸してやった。
「頭小さいな」
小さく笑ってローはつぶやく。帽子はにはブカブカで、目まですっぽり隠れてしまった。
「キャプテンの頭の毛皮、もこもこね」
「貸してやるから残りの掃除、終わらせちまえ」
「うん」
「いやいや、それじゃさすがに前見ないでしょ――」
言いかけ、ペンギンはハッとして口をつぐむ。
「問題ないだろ」
フォローするように、船長は何でもない風を装って会話を続けた。
「うん、平気」
「……ごめん、」
「変なの、どうして謝るの?」
笑って、目が見えないは帽子ですっぽり顔の半分が隠れていても特に不便そうな様子もなく掃除を続ける。
「寒いからみんなは入ってていいよ」
「俺は寒くないから平気だよ」
「じゃあベポ、が落ちないよう見張ってろ」
「だから私そこまでドジじゃないったら!」
やっちまったと無言で落ち込むペンギンは邪魔なだけなので、上甲板から能力で入れ替えて落とすとキャプテンは「仕事があるから行くぞ」と促した。