第8章 セブタン島
「わかったわかった、の大事なクッションだしな」
「そうだよ!」
「……にとって俺ってクッションなの?」
なにげにショックを受けて落ち込むベポに、は珍しく否定できずに「ええと」と困り果てている。
「ただのクッションじゃないよ! もこもこクッションだよ!」
「それ、フォローになってないよ……」
ウニに突っ込まれてはますますしどろもどろになった。
「……どうしたマリオン。珍しく静かだな」
シャチに声をかけられ、ぐったりと最後尾を歩いていたマリオンは「さすがに疲れた。川に3回落とされたのが地味に効いてる……」とぼやく。
「4回目があれば元気になるか?」
お望みならいつでも、とばかりに意地悪く笑って指をあげる船長に、「ならないってば!」とマリオンは眉を釣り上げた。
「でもがキスしてくれたら元気になるかも」
「私?」
ベポにガルチューして機嫌をとっていたが、名前を呼ばれて顔をあげる。対象的に船長の機嫌は悪くなった。
「却下だ」
「スイカ割り大会の景品でしょ!」
船長が豪華景品をつけるとに約束したスイカ割り大会は、普通にやった結果の圧勝だった。
なので彼女はオブザーバー参加ということにして、優勝者への景品は「からのキス」にしようと船長以外の満場一致で決まったのだが、その結果、船長が能力でスイカを動かしまくって、最後は目隠しもかなぐり捨てて全員で棒を持ってスイカを追いかけ回す訳のわからない展開になったのだ。
ちなみにスイカは「スイカ割れた? まだ食べられない?」のの一言で船長が能力で切り分け、一番最初にに食べさせた後、みんなでおいしく食べきった。
「誰も優勝してねぇだろ。強いて言えばスイカを守り切った俺の優勝か?」
「スイカ割りってそういうルールだっけ……?」
は首を傾げ、ふいに川向こうに顔を向けた。