第8章 セブタン島
肉の焼けるいい匂いが漂い、つまみ食いしようとするベポの手をトングでつついて追い払って、網奉行と化していたペンギンが宣言した。
「焼けたよ。バーベキュー食べる人は?」
「はい!」
元気よく手を上げていい匂いに寄って行こうとするをローは捕まえる。
「、網に手を伸ばすな。やけどするぞ」
「でもバーベキュー食べたい」
「ほら皿」
空っぽの皿を渡されて困惑するに、ローは能力で網からよく焼けた肉と野菜と海産物を取り寄せる。ベポが狙っていた一番大きな肉も、焦げ目のないほくほくのカボチャも、今回一番の大当たりだったサザエすら、一瞬での皿の上に集まった。
「すごい。バーベキューってお皿から食べ物が出てくるんだね」
「いや……まあ、そうだな」
が感激して喜んでいるので、ローはそういうことにしておいた。
「キャプテンそれ俺のお肉だよー!」
「ベポの肉なら腹に売るほどついてるだろ」
「お腹のお肉は食べられないよー!」
肉のために大泣きするベポに狼狽して皿の中身を分けようとするに、「ほら口開けろ」とローは分捕り肉を食べさせる。
涙目のベポの前で、はもぐもぐごっくんと肉を食べきった。
「うまいか?」
「すっごく」
わーんとベポが大泣きした。
「肉くらいで泣くなよベポ。ほらイカ」
初対面でボコってイジメたシロクマの皿に、ペンギンは甲斐甲斐しく焼けた海産物を載せてやる。
「俺のお肉……」
「バーベキューは獲ったもん勝ちだろ。皿に載せるまではベポのじゃないの。……キャプテンはを餌付けしない!」