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白夜に飛ぶ鳥【ONE PIECE】

第8章 セブタン島





「は泳ぐのはすごく速いんだけど……全部コースアウトしちゃったんだ」

 競争の詳細を語るウニに、は口を尖らせた。

「まっすぐ泳いでるつもりなのに、どうしてか曲がっちゃうの」
「利き手があるみたいに、体にもクセがあるからな。そのせいだろ」
「キャプテン治せる?」
「病気やケガじゃないからな。全員が目隠ししたら間違いなくが一番だろ。拗ねるなよ」
「勝った人にはウニが星をくれるって言ったのに残念」
「星?」

 これだよ!とウニはカゴの中から自分の戦利品を取り出した。

「海の中で見つけたんだ!」
「……ヒトデだな。、欲しいか?」
「ヒトデは毒があって食べられないからいらない」

 こんなに可愛いのに、とウニはショックを受けて落ち込んだ。

「キャプテンこの貝は食べられるかなー?」
「ベポはなんでも食うだろ」
「えー! 毒があるのは食べられないよ」
「ならかじってみて食べられないのが毒ありだろ」
「キャプテン、面倒がらないで」

 毒があるのにかじったらベポが死んじゃう、とは訴えた。

「――スキャン」

 能力で解析して、頼りになる船長は食べたら体に影響のある毒素を含んだ収穫物を海に投げ戻していく。
 結果、残ったのは3割ほどだった。

「味まではわからないから、あとはベポが食って判断だな」

 食べられる海産物が残ったカゴをベポに押し付け戻し、それより、とローはまだ髪を濡らしているにタオルをかぶせる。

「ちゃんと拭かないと風邪引くぞ」
「平気だよ。暖かいもん」
「ダメだ。それに陸にいる時はちゃんと着ないとシャチたちにセクハラされるぞ」

 しれっと言って、ローはのクマ耳パーカーを彼女に着せかける。

「ちょっと! 何を俺たちを悪者にしてるんですか!」
「一番セクハラしてるの誰だと思ってるんだー!」
「お前らだろ」

 きっぱり言い切って、ローはのピンクがかった金髪をわしゃわしゃと拭く。髪をかき回されて、は「きゃー」と楽しそうな悲鳴を上げた。
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