第8章 セブタン島
「なくしたほうがキャプテンの機嫌も悪くならないよなー」
「すいません……」
落ち込むベポをは一生懸命なぐさめた。
「私はベポのお腹好きだよ! たぷたぷしてて触り心地いいし!」
「非常食だしな」
「そうだよ! ……あれ?」
お腹をから庇ってぷるぷると震えるベポに、は「キャプテン!」と怒った。
「横から変なこと言わないで!」
「……俺のお腹、そんな風に思ってたの?」
「思ってないよ!」
あわあわするに、無責任な船長と料理長は大笑いする。
つられたようにウニも笑いだし、みんな少し、ほっとした。船に馴染もうとしながらも、気づくと悲しい顔で故郷の方角を見ているウニを、みんななんとか元気づけたかったのだ。
「ほらウニ、泳ぐ練習するんだろ」
「足つったなんてちゃんに抱きつけるのは今回だけだからな」
「そ、そんなことしないよ!」
純情少年はマリオンのアドバイスに真っ赤になった。
ビーチの端まで行くと人はまばらになり、敷物を敷いてハートの海賊団のクルーたちは荷物を置いた。
「よっしゃー泳ぐぞ!」
下に水着を着込んでいた男たちは、服を脱ぎ捨てるとエメラルドグリーンの海に飛び込んだ。
「キャプテンは行かないの?」
「泳げないの知ってるだろ」
「足を水につけるだけでも楽しいよ」
「シャチとマリオンに引きずり込まれるパターンだろそれ」
いいから行って来い、とローはを送り出した。
「ちゃんと見てるから心配しなくていい」
「ペンギンは?」
「バーベキューの準備があるからあとで行くよ」
「わかった」
うなずき、はパーカーとキュロットを脱いで下に着ていた水着姿になる。リボンのついた、縞柄のビキニだった。
「変じゃない?」
「いいや」
「すっげー可愛い!」
船長とペンギンにお墨付きをもらって、は海に駆け出していく。
「ベポ、どこ?」
「! こっちだよー!」
「ちゃん水着姿すっげー可愛い!」
「本当? ベポが選んでくれたの」
「お前なんでクマなのにそんな女物の服選びに長けてんだ……」
「すいません……」
「謝っちゃうんだ……」