第8章 セブタン島
「ベポ、一緒に行け」
「あ、うん!」
片時も彼女が一人になることのないように、ローはハートの海賊団の航海士に命じた。
「さて、じゃあバーベキューの用意をしますか」
船長の思いつきを実現させるため、ペンギンは準備に船倉へ降りる。
「キャプテン、あれはないでしょ!」
「ずるいって! あんなにちゃんにベタベタするの!!」
シャチとマリオンは船長に駆け寄ってギャーギャー騒いだ。
「クルー同士の恋愛禁止って言ったのキャプテンでしょ!」
「別に何も規則は破ってねぇだろ」
「じゃあ俺もちゃんにキスしてやる!」
ちょうどビーチに行く支度をして戻って来たに、マリオンは「ガルチュー!」と抱きつこうとした。
しかしに触れる前に、ローは能力でマリオンを川へと放り投げる。
「キャプテン! そりゃいくら何でもひどすぎ――っ」
抗議しようとしたシャチまで、ローは同じように川に放り込んだ。
「ほら、行くぞ」
何ごともなかったように、ローはの手を握った。
「マリオンとシャチは? どこに行ったの?」
気配が消えたことに困惑するに、ローは「ビーチが待ちきれなかったみたいだな」としれっと言い放った。
ヒューマンショップに売られるのとは別の恐怖を感じてそっとは手を離そうとしたものの、気づかない振りをした船長によって強く握りしめられる。
「ベ、ベポ! ベポ……っ」
良くない予感にはシロクマに空いたもう片方の手を差し出して「つないで」と懇願した。
「いいよ」
上機嫌での手を握り、ガルチューまでしたシロクマを、ローは事故を装って川に放り投げた。