第7章 吸血ネズミ
ボトルを取り上げるとはとても悲しい顔をした。
「ほら、ジュース。ベポの気に入りだ。も好きだろ」
一杯で酔っ払ってしまうベポはその後はずっとリンゴジュースなので、能力で取り寄せてローはのジョッキに注いでやった。
「これもおいしい」
の機嫌は直ったようだ。ほっとしつつ、ローは酔いを覚まそうと水を取り寄せてがぶ飲みした。
「キャプテンは酔っ払わないんだね」
「急病人が出た時に医者が酔っ払ってたら困るだろ」
「お医者さんに休暇はないの?」
「ベポが大ケガしても休んでていいか?」
「それは……ええと、ええと」
動揺するに笑って、ローは「もともと酔いつぶれるまで飲むのは好きじゃない」と安心させた。
「キャプテンは偉いねー」
イイコイイコと帽子ごと撫でられる。日頃ローも撫でまくっているので文句は言えなかった。
「いい子にはご褒美あげる」
飲んで飲んでとはローのジョッキに酒を注いだ。
「お前な……」
酔っぱらいは特に問題を認識しておらず、ニコニコしている。
まあいいか、とローはせっかくが注いでくれた酒を飲み干し、それが決定打になってぶっ倒れた。