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白夜に飛ぶ鳥【ONE PIECE】

第6章 ホワイトガーデン



「……!?」

 ブラッドリーとブリキ兵たちを引き連れて戻ってきた友人の姿に、U-2は目をむいた。

「ごめんね、U-2……」

 U-2にとってブラッドリーは家族の仇だ。本当に申し訳ない気持ちで、は彼に抱きついた。

「キャプテンたちが人質にされてるの。お願い、坑道は熱くて危険で、もう残り少ないとは聞いたけど、丹砂のある場所に案内して……」

 地下都市に運び込まれた檻に囚われた3人と、姿の見えないスイレンたちに状況を理解して、U-2は頷いた。

「わかった。案内するよ……」
「ごめんね」

 ゴソゴソとU-2はランプや地図などの道具を準備し始めた。

「、よせ……」

 絶え絶えの息の下、ローはを危険な場所に行かせまいと引き止める。檻の鉄柵越しに、は船長を抱きしめた。

「必ず助けるよ。だからキャプテンは安静にしてて……」
「俺なら平気だ。自分でなんとかできる……」

 能力を封じられ、死にかけの彼にできることがあるとは思えなかった。

「私も、自分にできることをするだけ。何度もキャプテンに助けてもらった。だから絶対に、見捨てたりしない」
「ダメだ……っ」

 なら本当にそうするとわかっているから、なおさら行かせまいとローはの手を掴んだ。
 は変なところで無茶がすぎる。助けるために自分の命さえ危険にさらしかねない。自分が死ぬよりそれは耐えられなくて、力の入らない手で、ローは必死に彼女を引き止めた。

「……大好きだよ、キャプテン。だからお願い、私を信じて。必ず助けるから」

 白い痣に染まったローの額にキスして、はそっと、船長の手を離させた。彼の手には全然力が入っておらず、それはたやすいことだった。

「……っ!」

 悲鳴のような声。それを振り払うのはとても辛かった。病気の彼を残していくのが本当に心苦しくて。

「妙な真似をするなよ。仲間を串刺しにしたくなけりゃあな」

 ブリキ兵たちに槍を構えさせ、ブラッドリーは残虐な笑みを浮かべた。何かしようものならこれで檻の中の人質をめった刺しにしてやるとばかりに。

「……わかってるよ」

 今は従うしかない。拳を握っては頷いた。
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