第6章 ホワイトガーデン
「、おいしい……?」
おそるおそるベポが尋ねた。
「うん。ベポどうして食べないの? ダイエット中だから?」
不思議そうな顔をされ、ベポは目をつむると「えいっ」と唐揚げを口の中に放り込んだ。
「あ、おいしい。エビよりすっごくクリーミー」
とたんに気に入って、ベポは次から次へと唐揚げを自分の口に放り込んだ。ダイエットのダの字もない食いっぷりだった。
「い、いただきます」
マリオンも覚悟を決めて、虫でできたコッペパンをちぎり、口に入れる。
「あ、割と普通に雑穀パンみたいな感じ……」
ほかのみんなが食事を始めてしまい、シャチも恐る恐る追従した。味はものすごく悪いということはないが、虫であるのを想像してしまい、どうしても箸が進まない。
しかしほかの3人の食いっぷりがいいので、U-2もスイレンもシャチのことは特に気にしなかった。
特にU-2は本当に嬉しい気持ちで、たちの食べっぷりを見ていた。
「こんなににぎやかな食事は久しぶりだ。すごく楽しい」
「スイレンは食べないの?」
給仕をするだけで食卓につこうとしないスイレンに、は尋ねた。
「私は人形だから。燃料補給は水だけで足りる。そこから水素を生成してエネルギーにしてる」
「じゃあ、U-2はいつも一人で食事してるの? それは寂しいね」
「うん……」
食事を終えると、スイレンに苔茶を入れてもらい、U-2は再び話し始めた。
「……ここにやってきた海賊の名は、ブラッドリー。ドルドルの実を食べた人形操作人間と言っていた。触れた人形を意のままに操ることができる能力者。呼び名は人形遣いブラッドリー」
「ブラッドリー……!?」
その名にマリオンは顔色を変えた。
「知ってるの?」
「俺の故郷の貴族と結託して……乗っ取ろうとしてる海賊だ。直接顔を見たことはないけど、確かにあいつは人形を操る。軍隊のように人形を組織して戦わせることで、国の警備を突破したんだ」
青い顔でU-2はマリオンの話を肯定した。