第2章 法界悋気【ホッカイリンキ】
その様を襖越しで目の当たりにした俺は小さく喉を鳴らし、ああ…そんなに責め立ててはが壊れて仕舞うではないか…と唇を噛む。
だがそんな俺の危惧は余計な世話であったらしい。
それが証拠に信長様に突かれる度、の表情はどんどんと甘く蕩けて行く。
そして……
「……が…ま…。
のぶ……な…さ……」
「何だ、?」
「の゛……さま……
………る。
あ……ぃ゛………てる。」
「ああ、俺も貴様を愛している。
何よりも、誰よりも…だ。
さあ、もっと俺の名前を呼べ。」
「ん゛っ…の…ぅが……まっっ…」
「そうだ、!
俺の名を呼びながら果てて仕舞え!」
「あ゛あ゛っっ!!」
そこまで目にすればもう充分だ。
俺は踵を返すと静かに……だが早足で天主の前から離れた。