第1章 秋の昼下がりに瞬いた星(木葉秋紀・木兎光太郎)
お ま け
高い高い秋空の下、木兎光太郎が天を仰いでいる。彼が見やるのは二人の同級生。木葉秋紀と青嶋朱花が、その黄金に映りこんでいた。
仲睦まじい彼ら。
生まれながらにして与えられた称号は、幼馴染。
いくらバレーが上手くたって、どれだけ有名になったって、たとえ苦しいほどに望んだって、自分には手に入らない特別な絆。
彼女がその瞳に映すのはいつだって、──彼。自分じゃない。
「……俺、木葉って苦手だ」
しょぼくれた低音がぼそりと独りごちた。心にもないのだけれど、どうにも、悔しくて。
完
●秋の昼下がりに(泣いた)星
○ナイモノネダリ