第14章 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

「天狐。俺はお前の影に縛られて動けねぇ。自分で脱いで、俺にお前を見せろ。」
「ふむ。私はお前の口を影で塞ぐのを忘れたようだ。」
「それくらいは許してくれよ。お前と会話が出来なくちゃ楽しさ半減だろ」
「そうだな。野暮な事を言った。」

シカマルの前に立ちあがり、重ね着した単衣を脱ぎ去る。
人間が付ける下着をゆっくり外せば、シカマルと同じく一糸まとわぬ姿になる。
ここからは獣も人間も一緒だろう。
陰門に陰茎を押し入れ、動かす。
そこに快楽を伴うか伴わないか。
シカマルの腿を跨いで、反り立つ陰茎を私の陰門に押し入れようとした。
しかし、上手く入らずじれったい。

「俺の前に座れ。」
「うん？」
「いいから、ほら。」

身体が動かないから顎をしゃくり、私は胡坐をかくシカマルの前に尻を付いて座った。
どうしようと言うのだろうか？
シカマルはまだ動けないのに？

「足開け。俺にソコが見えるように。」

言われるがまま膝を立て、足を観音開きにする。
なにをしろと言うのだろう。

「自分の指で、良い所当ててみろ。」
「指じゃぁ、奥まで届かぬだろ」
「じゃぁ、良い所に俺のが入るように、ほぐせ。」
「う。うん。」

自らの陰門を指で探り当て、濡れそぼるその入り口を馴れぬ指つきでシカマルの言うようにほぐす。

「穴、あるだろ。入れろ。」
「ゆ、ゆびを。か？」
「たりめぇだろ。ほら、早くしねぇと俺のが萎える。」

段々とせり上がる羞恥心。
これはもしや、シカマルは私が人の羞恥心に疎いからと言葉で虐められているのでは？
ぐちゅぐちゅ、と狭い洞の中に響く自分の陰門を弄る音。
呼応するようにシカマルの陰茎がびくりびくりと器用に反応する。

「指を二本入れて入口を広げろ。」

霞の掛かる頭の中にシカマルの声だけが響く。
外ではあれほどにカミナリと雨が大きな音を立てていると言うのに。