第11章 守る意味を求めて
「犬夜叉、楓ばあちゃんがしっかりと手当てしてくれたんだから、きっと大丈夫よ。少し休んだらどう? ずっと櫻子ちゃんの具合、見続けてくれてるじゃない。私、変わるよ?」
「いや……櫻子が起きた時に、誰にやられたのかすぐ問いただしておきたいんだ」
「もしかして……殺生丸の事、疑ってる?」
「……」
「それはそうよね、櫻子ちゃん……詳しくはわからないけど、殺生丸と知り合いみたいだし」
「それに、倒れてた櫻子の近くにはこいつが持ってた刀が見当たらなかった。腰には確かに刀の鞘がさしてあるのに……だ」
「つまり、櫻子ちゃんの刀を狙って殺生丸がそれを奪い、邪魔になるだろう櫻子ちゃんを殺そうとした?」
「……あくまで予想だ」
そうは言いながらも、犬夜叉の顔を見ればわかる。やはり殺生丸がやったのではないかと、そう言いたげな表情で心配そうに櫻子を見つめている。かごめは困った顔をして、息を吐いた。
「でもね、犬夜叉。とりあえず櫻子ちゃんも疲れてるだろうし、起きた時にそんなこと聞かれても……すぐに答えられないと思うよ」
「なんでだよ」
「もしも……もしもだよ? 櫻子ちゃんが殺生丸の事を、大切に想っているのだとしたら……例えそれが事実だったとしても、彼女は殺生丸がやったとは、答えないと思う」
「自分に怪我を負わせた相手を庇うってのか!?」
「そうじゃないわよ。ただ……私だったら、そうしそうだなって思って」
「はあ?」
かごめは呆れ顔で睨む犬夜叉に、言葉を続けた。