• テキストサイズ

犬夜叉 一重梅ノ栞

第4章 繋がる血の濃度



 ――この人達に着いていくということは、殺生丸さんを追いかけられないということ。けれど、今の私では殺生丸さんに認めてもらうことも出来ない。強くなりたい……。そしていつか……。


「一緒に、連れて行ってもらえませんか?」

「……うんっ!」


 櫻子の返事に、かごめは元気よく答える。


「櫻子、羅刹桜牙を研いでやろう。持ってこい」

「はい! お願いします」


 刀々斎は刀を受け取ると、すぐに研ぎ始める。


「櫻子よ、この羅刹桜牙を持つということが、どういうことなのか。お前さんはわかっているのか?」

「多少は……わかっているつもりです。この刀を欲する妖怪達が、これからも襲ってくるのかもしれません」

「それだけじゃねぇ。お前、鬼の話は聞いているのか? 奥義の鬼」

「五つの鬼のことですね。はい、聞いています」

「……奥義を会得するつもりか。何故、そこまでして」

「……それは私にもわかりません。けれどそれは、玉依姫の魂でなければ出来ないことなのでしょう? なら私がやります。きっとそれが此処に来てしまった理由だと思いますから」

「そこまでして背負う必要もねぇだろう」


 それは玉依姫の使命のことか、それとも身に宿る魂の話か。櫻子は真っ直ぐ決意を込めた瞳で、刀々斎を見た。


「もう決めたんです」

「……そうかい」


「やい、櫻子! まだ俺の話は終わってないぞ!!」


 目も回復し、元気になった犬夜叉が櫻子の処へやってくる。

/ 113ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp