第4章 繋がる血の濃度
――この人達に着いていくということは、殺生丸さんを追いかけられないということ。けれど、今の私では殺生丸さんに認めてもらうことも出来ない。強くなりたい……。そしていつか……。
「一緒に、連れて行ってもらえませんか?」
「……うんっ!」
櫻子の返事に、かごめは元気よく答える。
「櫻子、羅刹桜牙を研いでやろう。持ってこい」
「はい! お願いします」
刀々斎は刀を受け取ると、すぐに研ぎ始める。
「櫻子よ、この羅刹桜牙を持つということが、どういうことなのか。お前さんはわかっているのか?」
「多少は……わかっているつもりです。この刀を欲する妖怪達が、これからも襲ってくるのかもしれません」
「それだけじゃねぇ。お前、鬼の話は聞いているのか? 奥義の鬼」
「五つの鬼のことですね。はい、聞いています」
「……奥義を会得するつもりか。何故、そこまでして」
「……それは私にもわかりません。けれどそれは、玉依姫の魂でなければ出来ないことなのでしょう? なら私がやります。きっとそれが此処に来てしまった理由だと思いますから」
「そこまでして背負う必要もねぇだろう」
それは玉依姫の使命のことか、それとも身に宿る魂の話か。櫻子は真っ直ぐ決意を込めた瞳で、刀々斎を見た。
「もう決めたんです」
「……そうかい」
「やい、櫻子! まだ俺の話は終わってないぞ!!」
目も回復し、元気になった犬夜叉が櫻子の処へやってくる。