第4章 繋がる血の濃度
「お前……えっと、櫻子だっけか。なんであんなとこにいたんだ、人間のお前が」
「私は……殺生丸さんを追って此処へ来たんです」
「殺生丸を追って? なんでまた、そんなことを」
「櫻子と言ったな。お前さんの腰にある刀、それは羅刹桜牙だな?」
鉄砕牙を研いでいた刀々斎が、櫻子へと声をかける。それにより、その場にいた誰もが彼女の方へと視線を向けることとなった。
「刀々斎さんは、この刀の事をご存じなのですか?」
「そりゃそうだ。それはわしの師匠が当時、まだ若かった親方様の牙で作った名刀だからな」
「刀々斎さんのお師匠様が……?」
「そうだ。どういうわけか、親方様はその刀を玉依姫に預けたと聞いていたが……お前さんは玉依姫と何か関係があるのか?」
「……この刀を封印していた場所にいた人から、私は玉依姫の先祖返りだと言われました」
「先祖返り……?」
「信じてもらえないかもしれませんが、私はこの世界の人間ではありません。とある鏡を通して、この世界にやってきました」
途端、次は一斉にかごめの方へと視線が集まる。
「な、なんで皆して私を見るのよ!」
「いえ……別の世界、時代と言われるとついかごめ様の連想してしまいまして」
「法師様の言う通りだよ。あたしもかごめちゃんの知り合いなんじゃないかと思って、つい」
「おい、弥勒に珊瑚やめてやれよ。俺もそう思ったんだからよ」
「犬夜叉……あんたね! それはフォローになってないの!!」
「ふっ、ふぉろぉ?」
「……おすわりっ!」
「ぐえっ!!」
かごめの言葉により、犬夜叉は地へと突っ伏した。