第4章 繋がる血の濃度
「刀々斎のおじいさんっ、風の傷って一体何なの!?」
「殺生丸には見えているのか……。風の傷っていうのは、簡単に言えば鉄砕牙の極意みたいなものだ。それが読めなければまず真の使い手になれん。それどころか、犬夜叉がそれを使えなければ……」
「じゃあ、犬夜叉にその風の傷を教えてあげてよっ!」
「あれは教えてもらうようなもんじゃねぇ。犬夜叉が自ら見極めなければいけない。だが……このままだと、死ぬぞ」
殺生丸に押されながら、鉄砕牙は殺生丸の攻撃で悲鳴を上げるように鳴く。犬夜叉は狙いが鉄砕牙であることに気付いたのか、刀身を守ろうとするが殺生丸は隙なく攻撃を繰り返す為、鉄砕牙でそれを受ける他ない。
「っ……! 犬夜叉、貴様……刀を守ったか」
殺生丸が思い切り鉄砕牙を殴りにかかると、犬夜叉は刀身を下げ額で諸に攻撃を受ける。
「折角貰った刀だ、折られて堪るかってんだよっ!!」
「ふんっ、愚かな」
だが殺生丸の毒が放たれる。犬夜叉の目に毒が入り込み、犬夜叉は右往左往と視線を泳がせていた。
「もしかして……犬夜叉さん、目が見えなくなってしまったのでしょうか?」
「殺生丸様の毒を目に受けたのだ、致し方あるまい! やれー! 殺生丸様っ!!」
しかし、犬夜叉の動きが止まり空気が変わるのを櫻子は肌で感じ取る。
「風の……匂いがします」
「風? 何をおかしなことを言っておるのだ、櫻子」
「妖気が擦れて、渦になっていくのが見えます……。あれは……」
「何も見えんが?」
「いけない……っ!」
「おい!? 櫻子!? 何処に行くっ!」
櫻子は何を感じ取ったのか、殺生丸達の方へと走り出す。