第4章 繋がる血の濃度
「また、とはどういうことですか? あのお二人は何か関係があるのですか?」
「関係というか……犬夜叉は殺生丸様の弟。つまりあの二人は血を分けた兄弟なのだ」
「そうなのですか! 通りで犬夜叉さんも綺麗な銀色の髪をしていると思いました」
「殺生丸様には劣るもんっ!」
二人がそんな会話を続けている中、殺生丸達は不穏な空気を纏ったまま戦闘態勢に入ろうとしている。
「俺もそろそろ鉄砕牙のことで、お前に付き纏われるのはこれっきりにしてぇしな。はっきりと決着をつけてやる!」
「……いいだろう」
それを合図に、殺生丸と犬夜叉が同時に飛びかかっていく。犬夜叉は腰の刀を抜き、殺生丸と対峙する。殺生丸は左手を伸ばしそのまま刀身を受け止める。その左手は、殺生丸には不釣り合いな龍の腕。
「安心しろ、それも今日で終わる。貴様に見えぬ限り、風の傷がっ……!」
「くっ……!」
殺生丸は龍の手で、鉄砕牙と呼ばれた犬夜叉の刀を折ろうとするかのように、容赦なく龍の爪で叩く。
「なんだ! また新しい腕くっつけてきやがったのか!」
「この借りの腕、鉄砕牙を受ける盾くらいにはなる」
そう言って右手の爪の毒を、犬夜叉の頬を掠める。危険を察知した犬夜叉は、一気に殺生丸から距離を取る。
犬夜叉一行の中にいた一人の少女が、刀々斎を問い詰める。