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「理想のイケメン」募集に、煙を纏う同期が立候補してきた。

第3章 そうだドバイ、行こう。




「あーあ、どっかに『身長180センチ以上、顔は国宝級、実家が石油王で、私を世界一甘やかすことだけに命を懸けてるイケメン』、落ちてないかなあ」
 
ベンチに寝転がり、青空を見上げながら、私は以前よりもさらに現実離れした妄想を口にする。
 
「アズサさん、もうそれ生息地が二次元かドバイの二択なんすよ」
 
呆れたような声とともに、紫煙が風に流れてきた。
それなら、ドバイの方が現実的か。いや、現実的か?
 
横を見ると、いつものように結城くんが立って煙草を吸っている。
 
「いいじゃん、妄想なんだから。
 で、今日は何? プレミアム仕様の優しさの押し売り?」
 
私は寝転がったまま、彼を見上げる。
こないだ「うちの墓入ります?」とかいうトンデモ発言をかましてきた男は、今日も飄々とした顔をしていた。
 
「あ、分かっちゃいました? 今日はですね、これです」
 
結城くんはポケットから、小さな包みを取り出して私の目の前にぶら下げた。
 
「……何、これ」
 
「アズサさん、今日お昼ごはん早かったから、そろそろ小腹空く頃かなと思って。
 はい、チョコクロワッサン」

ドンピシャである。
確かにお腹が鳴りそうだった。
私が無言でそれを受け取ると、結城くんは満足そうに微笑んで、私の寝転がるベンチの端に腰掛けた。

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