「理想のイケメン」募集に、煙を纏う同期が立候補してきた。
第1章 現実エスケープ
「私、仕事できないけど、優しいでしょ」
「俺を座らせてくれるのは優しいですけど
その体勢、スカートだったらパンツ見えてます」
携帯灰皿に灰を落としながら結城くんは横目で私を眺めている。
「スカートじゃないからいいじゃない」
「ちょっと待って。いま、想像しますから」
顔をこちらに向けて、目を細めて、多分視野を暈してる。
こういうこと、平気でするから困る。
想像してどうすんのよ。
こういう馬鹿なとこがあるからいいんだと思う。
結城君なら別に嫌じゃない。まあ、お好きにしなさい。
私は眩しい太陽を何秒眺められるか、そんな遊びをして時間を潰した。
結城君はタバコの火を携帯灰皿で揉み消しながら、まだ眺めてる。
1本分見てたって計算だ。暇人かよ。
「あー満足でしたー」
安っぽいライターの音が響いた。
結城くんは二本目の煙草に火をつけるとベンチから立ち上がった。
ふらふらと歩き回りながら紫煙をくゆらせていた。
何に満足したかは聞かないでおく。
「俺の想像したアズサさん、超せくしーでした。
スカートの隙間から見えました」
言うなよ。あえて聞かなかったこと言うなよ。
お好きにしなさいとは思ったけれども。
嫌そうな顔をワザとすると、こっちを見て
にやりと笑う。