第9章 7。
混乱した思考と動揺した心を抱えたままでは、まとまりのない理由を考えても無駄だ。それならば、下手に言葉を発するよりも、すべて言い訳じみた軽い言葉しか伝えられないだろう。何も思い浮かばないのなら、「言えないことは言えない」と正直に告げ、速やかに頭を下げる方が、穏便に物事を収めることができるだろう。
私はそう思いながら、頭を下げ続けた。全身に向けられたリヴァイの鋭い視線は、まるで何本ものナイフのようで、頭を下げている間も、それが鋭く突き刺さっているかのように感じられた。
私はその視線に痛みを感じながら、この先何を言われようともすべてを受け入れる覚悟を決め、頭を下げたまま彼が何か言葉を発するのを待った。すると、リヴァイは私を見て、諦めた様子で大きくため息をついた。
「二度目はねぇ…この後、遅くなっても構わない。必ずエルヴィンのところにも顔を出せ」
そして、彼は私に苛立ちを露わに吐き捨てるように言い放ち、静かにその場を後にした。再び、食堂の扉がバンッと強い音を立てて閉まるのを感じながら、私は彼が去った後もしばらく頭を下げていた。
彼の気配が感じられなくなった頃、ゆっくりと頭を上げ、力なくその場にしゃがみ込んだ。途中から息をすることも忘れていたのかもしれない。
しゃがみ込んだまま深呼吸を繰り返し、早鐘のように動いている心臓を落ち着かせようと試みるが、先ほどのリヴァイから漂っていた雰囲気と圧力が、彼がこの場を去った後もなお尾を引いており、完全には肩の力を抜くことができなかった。
そして、私は大きく息を吸い、長く深く吐いた後に立ち上がり、背後で見事に美しい敬礼で微動だにしなかった班のメンバーに向き直り、姿勢を正して深く頭を下げた。
「皆にも本当に迷惑をかけて申し訳なかった。次回からは気をつける」
その場には未だに細い糸が張りつめたような緊張感と雰囲気が漂っているが、リヴァイが食堂から出て行ったことで、彼らの緊張の糸が切れたかのように感じられ、その場の重苦しい空気も軽くなったように感じた。そして、その場にいる全員の力が抜け、静かに椅子に腰を下ろした。
「いえ、気にしないでください。誰にでも言えないことは一つや二つありますから。今回の作戦には、入団したばかりの新兵も含まれているとのことですので、兵長も今まで以上に気が立っているのだと思います」
