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空を見上げた。

第9章 7。



確かにこの場を訪れるまで、私は自分の言動が軽率で無責任だったと何度も考えていた。しかし、今ここにいるリヴァイ班のメンバーの様子を見ると、自分の行動がどれほど周囲を巻き込み、迷惑をかけたのかを実感している。

今、何か言葉を発しても言い訳や墓穴を掘ることになりかねないと思い、何も言葉が見つからず、口をつぐんでしまった。

すると、その場にいたペトラ以外のメンバーは、私に視線を向けることなく、「今日は帰った方が良いです」「俺たちのためにも」と肩を落とし、体を小さく縮めながら震え、今にも消えてしまいそうな声で呟いた。

私はその様子から全身で危険を感じ、額に手を当てた。そして、大きく深呼吸を繰り返した。現状を見ると、すでにこの場にいる全員がリヴァイの機嫌が悪いことを察知しているのが分かる。

私は自分の身を守ることよりも、モブリットを含む他の部下たちが自分のせいでこれ以上不憫な思いをすることを避けたいと考えた。

「そ、そうだね!今日はもう夜遅いし、また明日改めて伺うことにしよ―」

そして、私はその場にいる全員を安心させるために、ぎこちなく笑顔を浮かべてそう言おうとした。その瞬間、私の背後で何かがバンッと破裂したような音が響き、私はその音に大袈裟に体が反応して跳ね上がった。

すると、私の目の前に座っていた全員が勢いよく椅子から立ち上がり、見事な敬礼の姿勢を取った。

破裂音の原因を確認するために背後に視線を向けると、先ほどまで閉まっていた食堂の片側の扉が開いていた。

あまりの音の大きさに、「扉の留め具が歪んでいるのではないか」と見当違いな考えが頭に浮かび、心配になった。しかし、今は現実逃避をしている場合ではないと考え、思考を切り替えて息を詰まらせた。

「…よぉ…クソメガネ…」

すると、地を這うような低くてドスの効いた声が、広い食堂にやけに大きく響き渡ったように感じた。毎回思うのだが、その小さな体のどうしてそんな声が出るのか、疑問に思う。私はまたしても見当違いな考えを巡らせてしまっていた。

「や、やぁ、リヴァイ。今日はとてもいい夜だね!あはは…」

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