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空を見上げた。

第9章 7。



「はぁ…だいぶ遅くなっちゃったなぁ…」

私は馬の背中に乗り、心地よい揺れに身を任せながら小さく呟いた。今日の出来事を振り返ると、時間が非常に早く過ぎ去っていくように感じられた。

その中で、さまざまな感情が心の中から溢れ出し、心温まる気持ちと複雑な思いが頭の中で交錯した。どんなに思考を働かせようとしても、うまく整理できず、自分が今、どんな感情を抱いているのかさえ曖昧になっている。

私の性格上、興味を抱いた事柄について追求したいと思う一方で、今日体験した出来事からは思わず目を背けたくなる。しかし、それは許されない。そう思いながら、私は片手で手綱を握り直した。

の家を出てからこの場所に来るまで、私は自分が何を考えていたのかすら曖昧で、思い出すことができない。 この先、私はどのような生活を送っていけばよいのか、正直なところ思いつかない。

それでも、自分にできる範囲のことに覚悟を持って真摯に向き合いたいと考えている。 しかし、「覚悟を持って真摯に向き合う」と言っても、何を土台にすればよいのか迷っている私には、大したことはできないかもしれない。

そして、私は考えても仕方のないことをダラダラと考え、の家を後にしてからすぐに、リヴィア自身が新たに編成したリヴァイ班の拠点である古城に戻れなかった。

その古城は、かつてが兵士であった頃、私たちが使用していた調査兵団の本部だった。最近までその場所は廃墟同然だったが、巨人化能力を持つエレンを監視・隔離するために利用されるようになった。

私は今、と再会し、彼女が兵士だった日々や、私とリヴァイの三人で過ごした日々を思い出していた。そのため、あの場所に向かうのを躊躇している自分に呆れ、情けなく感じている。

できれば、今日はあの場所には行きたくないという気持ちの方が強い。 それは、と再会したことで、過去の思い出が嫌というほど思い出されるからだ。

再会するまで、彼女のことを完全に忘れたことは一度もなかったし、忘れようとしても無駄だった。その気持ちは、私よりもリヴァイのほうが格段に強いだろう。

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