第7章 5。
その後、しばらくの間、私の胸の中で泣いていたは泣き止み、赤く腫れた瞳で私を見つめ、心からの笑顔を見せてくれた。
その笑顔は取り繕ったものではなく、私が望んでいた真心がこもった笑顔であることを、私はすぐに理解し、ひとまず胸を撫で下ろした。
そして、私たちは床に座り込んだままお互いの顔を見つめ合い、笑い合った。この瞬間がずっと続けばいいのに、ここにリヴァイがいればいいのにと考え、その考えを頭の中から追い出すようにの頭を撫でた。
彼女の頭を撫でる私の手に、懐かしい感覚が広がっていく。昔はよくこうして頭を撫でながら、「子ども扱いしないでください!」、「私から見れば、まだまだ子供だよー」と言い合った日々を思い出す。そして、の顔を見つめていると、自然に笑顔がこぼれた。
「先輩、最後にこんなわがままを言ってしまい、申し訳ありません。でも、本当にありがとうございます。私の願いはこれだけです。たとえ離れ離れになっても、空を見上げれば先輩と必ず繋がっていると安心できます。そう考えれば、頑張れます。だから…どうか、よろしくお願いします」
「ああ、分かった。私も、この空の下では必ず君と繋がっていると思えば頑張れるよ。でも、一つだけ言わせてほしい。私はこの先、リヴァイやリヴたちに隠していたことが悟られたとき、君だけに背負わせるつもりはない。私も最後まで責任を持って共に背負うから。それくらいは許してくれるよね?」
私はがそう言ったとき、その言葉に真剣に応じた。しかし、は私の言葉に頷きもせず首を振ることもなく、何も言わずただ微笑んでいるだけだった。
私はその微笑みを見つめて、「何か言いたい」と思った。これ以上どんなに望んでも状況は変わらず、も自身が判断し決断したことを変えるつもりはないだろうと思った。
ならば、私はもう何も言わずに、最後に大好きなの笑顔を脳裏に刻み込もうと思った。そして、彼女が再び「よろしくお願いします」と言いながら頭を下げるのを見て、私はその光景にしっかりと頷いた。
その瞬間、心の中に「ああ…心から幸せだと感じられないことが悔しい…」という思いが溢れ出てきた。