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空を見上げた。

第7章 5。



そして今日、彼女と再会し、話し合いの中で二人が変わらずお互いを愛し合っていることを実感したとき、これから先どうすればよいか判断に迷ってしまった。

を抱きしめたまま、彼女が現在暮らしている家の中に視線を巡らせた。その時、テーブルの上に置かれたマントが視界に映り込み、まるでそのマントだけが際立って主張しているかのように感じた。

ただマントを見つめ続け、何度もこれから自分がどう行動すればよいか悩んでいたが、一度まぶたを閉じて開くと、小さく頷いた。その瞬間、私の心は決まった。

「(すまない…リヴァイ…私は…私にできることをやる)」

私はまぶたをきつく閉じ、脳裏にリヴァイの姿を思い浮かべながら、奥歯を強く噛みしめ、心の中で彼に謝罪の言葉を述べた。

そして、顔を天井に向けて唇を噛み震わせた。何にも代えがたいものが存在することは非常に素晴らしいが、その反面、とても残酷であることを実感した。

私はそう思いながら、胸に顔を埋めてすがりつくように泣き続けるの姿を抱きしめ続けた。

「マントを処分する」。これが最愛の後輩であり親友であるのためになるのなら、この願いを叶えることで、この小さく痩せ細った体と弱っている心に、少しでも生きる力がみなぎるのなら、私も愚かにも身勝手な決断を下そう。

それが、私にとってと同じように大切に思うリヴァイを傷つける選択であったとしても、ここまで来たのだから、の覚悟を共に背負おう。

私はそう思い、再びまぶたを閉じ、そっと開いて天井の木目を見つめた。目に映る天井の木目は不規則に並んでおり、その不規則さがこれまでの私の判断、そしてこれから下そうとしている判断を象徴しているように感じられた。

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