第7章 5。
いくらリヴたちがいても、今の状況を見れば心から幸せになれるとは到底感じられない。
「(どうして、こうなってしまったのだろう…)」
私は心の中でそう呟いた。何年もの間、一人でさまざまな感情を抱え込み、この小さな体に「愛」を押し込め、それでも変わらず「愛おしい人」をひたすら愛し続けてきた。
この先、マントを処分して前に進むと決意しても、気持ちの整理ができていなければ、本当の意味で前には進めないだろう。
私は頭の中で考えを整理し、まぶたを閉じて奥歯を噛みしめた。しかし、その思いは言葉にはならなかった。
「(こんな時まで、どうして私は何も言えないのだろう。が姿を消してからも、何度も後悔してきたはずなのに…)」
頭の中でそう呟きながら、自分自身の弱さと情けなさに呆れた。もし今この場に私一人だけだったら、自分のことを嘲笑っていたかもしれないし、殴っていた可能性も十分にあった。
今日、と再会し、できる限りのことをしようと考えていたにもかかわらず、結局、自分の弱さを再確認するだけで、肝心な思いを言葉にして伝えることができなかった。
結局、私は何もできずにこの場にいる。その事実を抱え、今日再会できた思い出を胸に生きていかなければならない。
「…ねぇ、笑って…?」
私は小さな体を強く抱きしめながら、そう言った。そして、自然と滲み始めた視界をごまかすように何度も瞬きを繰り返した。幸いにも涙はこぼれなかった。しかし、表現しきれない感情が全身から溢れ出ていた。
「(私はこんなにも弱く、情けなかったのか…?)」
私は再び自分自身に問いかける。しかし、その答えは見つからず、誰も答えてくれない。おそらく、私は今後もこの「問い」の答えを探し続け、「答え」が出ないという事実を受け入れざるを得ないのだろう。
今まで、私は真相を隠しながらリヴァイと接し、彼を見守ってきた。その中で、彼がに抱いている気持ちも痛いほど理解していた。しかし、の気持ちについては、彼女が兵士を辞めてから知ることができなかった。