第7章 5。
「お願いだ…やめてくれ…そんな君の姿を見るために会いに来たわけじゃない。確かに、少しでも気持ちに変化があるかと期待してしまった。逆に君を困らせるだけだと思った。とても悩んだよ。でも、一目でもいいから会いたくて…私も人のことは言えない。それでも、もしこの先、私がリヴァイにと再会したことが知られたとき、土下座をした君の話なんてしたくない。笑顔だったって言いたいよ。やめてくれ…もう…二度と会えないなら…笑って、あの頃と変わらない、リヴァイも私も大好きだった笑顔を見せてくれ…お願いだよ」
私はそう言いながら、同じようにその場に座り込み、の体を強く抱きしめた。彼女の体は見た目では判断できなかったが、実際に抱きしめてみると非常に小さく、痩せていた。私はその小さな体を胸に強く抱きしめながら、まぶたを閉じて奥歯を噛み締めた。
「ねぇ、笑って…笑ってよ…」
「せんぱ…い…」
「笑って…それだけで、今日再会できたことが嬉しいと思えるから…他には何もいらないよ。お願いだから、笑ってくれ……」
は私の言葉を聞くと、小さく震える声で私を呼び、胸に顔を埋めて嗚咽を抑えながら泣き始めた。
兵士だった頃、私はがこうして人知れず泣いていたのを知っていた。それでも、リヴァイと出会い、お互いに想い合う中で、涙を流すことが減ったように感じていた。
しかし、私が知らないだけで、リヴァイと二人きりのときの彼女の様子までは分からない。それでも、あの頃の彼女は常に笑顔を絶やすことがなかった。恐怖心や辛く苦しい現実に支配されながらも、彼女は非常に幸せそうに見えた。
私は、「もうは兵士ではない。一般人なのだから、兵士だった頃の記憶をすべて忘れることはできなくても、我慢しなくていいことは我慢しなくていい。つらいと思うことは、つらいと言えばいい。正直に生きてほしい…」と心から思った。
しかし、生きていればさまざまな出来事に直面し、その時の環境や状況に応じて適応しなければならない。それを考えると、今のに心から「幸せになってほしい」と思えず、それを伝えることができなかった。幸せになってほしいとは願っているが、私が望む彼女の幸せは「リヴァイと共にあること」だ。