• テキストサイズ

空を見上げた。

第7章 5。



すると、は同じように室内に視線を巡らせて微笑み、頷いた。その瞬間、私は彼女の浮かべた表情が作り物ではなく、心の底からのものであるとすぐに実感し、思わず胸を撫で下ろした。

彼女は非常に素直な性格であったが、自分の感情を抑えることがそれなりに上手だった。それでも、リヴァイほどではないが、私も昔からの感情の微妙な変化には敏感な方だった。

そのため、先ほどまで緊張していたのだろう、彼女の姿から強張った気配が消えていることに気づいた。

「そういえば、先輩は何かの役職に就かれましたか?エルヴィン分隊長が団長に就任し、あの人は兵士長に就任したという噂を娘が職場で聞いてきました。キース団長は席を譲られたのですね」

「あぁ、私は今、第四部隊の分隊長だ。そう、ウォールマリア襲撃の際にエルヴィンに席を譲ったんだ」

「そうでしたか。娘が職場で聞いた噂で、巨人になれる人間が現れたと聞いたので…今、本当にお忙しいでしょう?それにもかかわらず、リヴたちがご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」

すると、が現在の調査兵団について問いかけてきた。私はその質問に頷き、一つずつ答えられる範囲で応じた。私の話を聞いた彼女はふと懐かしそうな表情を浮かべ、私の顔を見つめていた。

の目に映る今の私は、どのように見えているのだろうか。お互いに大きな変化は見られないと思っていても、実際の見え方や抱く感情は人それぞれ異なる。

そう思いながら、一度の顔から視線を逸らし、テーブルの上で握りしめている両手を見つめた。そして、微かにその手が震えていることに気づき、思わず眉をひそめた。

「いや、いいんだ。本当に気にしないでほしい。それより、脚の具合はどう?」

今、思考を働かせようとすると、なぜか空回りし、嫌な考えしか浮かんでこない。私たちに与えられた時間の短さが、私の「考える」という行為を妨げているのだろう。

そう考えたとき、余計なことは考えず、率直に感じたことや思ったことを話すことに努めようと思い、恐る恐るに負傷した脚の具合を尋ねてみた。

/ 288ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp