第7章 5。
そして、私はすぐに強張った表情を浮かべるに真剣な表情を向けた。
「、安心してほしい。リヴたちには私たちの関係について話していない。リヴの名前を聞いたときは思わず驚いてしまったけれど、きっと二人も気にしていないと思う」
私は挨拶を済ませた後、まず最初にこのことをに伝えるべきだと考えていた。きっと彼女も、私とリヴたちが出会ったことについて何よりも気がかりに思っているだろうと思ったため、私と再会したことで彼女が抱いたであろう不安を一つずつ解消しながら話を進めるべきだと考えた。
「…申し訳ありません。ご迷惑をおかけしましたね」
すると、は私の言葉を聞いて謝罪の言葉を述べながら苦笑いとも微笑みとも取れる曖昧な表情を浮かべた。私はその表情を見て、思わず考えていたことを忘れかけたが、なんとか集中を切らさずにに心から微笑みかけた。
「いいんだ。二人の話を聞いていれば、なんとなく現状を察することができたから。それに、リヴたちにさりげなく母親のことを尋ねたとき、脚が不自由で紅茶が好きだということを聞いて、その二つの要素から私はすぐにだと分かったよ。そして、リヴはリヴァイとの子どもだということもすぐに分かった。出会い方はどうであれ、リヴたちと会えてとても嬉しかった」
「はは…その二つの要素だけで私だと確信できたのは、きっと先輩だからでしょうね。そして、この場にいるのは先輩だからですよ。もし私が先輩の立場だったら、きっと逃げていたと思います」
私が真剣な表情で静かにそう言うと、は私を真っ直ぐ見つめ、困った様子で微笑んだ。その微笑みはどこかぎこちなく、痛々しく感じられた。
その表情を見たとき、私も思わず顔をしかめそうになったが、必死で耐えた。今、彼女の心の中には「不安」が大きく渦巻いている。私の一挙手一投足が、彼女の抱える不安を増幅させるような真似はしたくない。
気を使いすぎているかもしれないが、今の私にとってそんなことはどうでもよかった。今の私は、彼女が少しでも「安心」して「心」を開いてくれることだけを心から望んでいる。