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空を見上げた。

第7章 5。



「二人は何も悪くない」と言いたいのに、この場でその言葉を口にできないのは、少なからず私も動揺しているからだろう。

そして、私はリヴたちの前にしゃがみ込み、二つの小さな体を引き寄せて自分の胸に強く抱きしめた。深呼吸をすると、普段殺伐とした空気ばかり吸っているせいか、二人から漂う日光の香りに安心感を覚えた。

すると、二人は短い腕を伸ばして、私の体を幼いながらも力強く抱きしめ返してくれた。そして、私たちはしばらく抱きしめ合い、名残惜しさを感じながらその抱擁を解いた。

今日、三人で過ごした短い時間の中で、一番の笑顔で笑い合った。私はその笑顔、香り、温もりを忘れないように、最後にもう一度二人の頭を撫でた。

「じゃあね、二人とも元気でね」
「「うん!」」
「ははっ、本当に仲が良いね。このからもずっと仲良くするんだよ?」

私はそう言うと、元気よく頷きながら返事をしてくれた二人を見つめて微笑んだ。今日は、とても素敵で素晴らしい時間を過ごすことができた。

二人の存在は、これからの私の人生においてかけがえのない思い出となるだろう。寂しさや名残惜しさを感じたが、それでも仕方がないと割り切るしかない。

私は一度拳を握りしめ、最後に「さようなら」と言ってから拳を開き手を振ると、リヴたちは満面の笑みを浮かべて手を振り返してくれた。

そして、その場から手を繋いで元気よく楽しそうに駆け出した。その二人の姿を見たシイナさんは「転ぶよ!」と言いながら、何度目になるか分からない大きなため息をついていた。

そして、私は三人の姿に微笑ましさを感じながら、瞬時に思考を切り替え、「これから先が肝心だ」と、一瞬逃げ腰になっていた自分の意識を引き締めた。

気を抜いてはいけないと思いつつ、実際には少し恐怖心も抱いており、恐る恐る目の前にいるを伺い、気を引き締めて真剣な表情で真っ直ぐ見据えた、その瞬間…

「っ!?」

シイナさんは私に小さく会釈をし、片手にランタンを持ちながら素早く二人の後を追っていった。すると、シイナさんと私がすれ違った際、彼女は耳元で小さく囁いた。

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