第7章 5。
私の目の前には、これまで何度も夢に見ていた光景が広がっており、心からの喜びを胸に抱いている。しかし、同時に複雑な気持ちも抱えていた。
今、私たちはの家のドアの前で、楽しそうにはしゃいでいるリヴとルア、そしてリヴたちが話していた血の繋がりはないが姉と思われる女性との5人といる。
この場には気まずい空気と表現しがたい緊張感が漂っていたが、リヴたちの存在がそれを和らげているように感じられた。
リヴたちはその場に漂っている緊張感を感じている様子はなく、たちに今日体験した出来事を、楽しそうに話しており、彼女たちはその話を少し困惑した様子で聞いていた。二人の表情には「人の気も知らないで」という思いが明らかに表れていた。
しかし、幸いなことにリヴたちはその思いに気づいていないようだ。あるいは、彼女たちは自分の気持ちを悟られないように接することに慣れているのかもしれない。
私は、と姉の様子から、彼女はから事情を聞いているのだろうと理解できた。彼女は私としっかり向き合い話し合いながらも、時折心配そうにの様子を伺っている。
そんな中では一見平常心を保っているように見えるが、懸命に動揺を隠そうとしている様子が伝わってきた。私はその様子を見て、自分の行動がリヴたちのためになったと感じる一方で、やはりと姉にとっては余計な行動だったのではないかと思い、自分の言動の浅はかさを痛感し、内心で大きくため息をついた。
は私と挨拶を交わした後、私を見ようとしなかった。しかし、一見不自然に思えるその行動は、今のリヴたちには不審に思われることはなかった。
今の二人にとっては、今日自分たちが体験した出来事を伝えることの方が重要なのだろう。そんな興奮している二人を、姉であろう女性が大きなため息をつきながら呆れた様子で窘めた。
「まったく…迷子になるばかりか、お忙しい兵士の方にまでご迷惑をおかけして…」
「…ごめんなさい、僕が悪かったんだ…」
「違うよ、俺が悪いんだ」
私は姉である女性に窘められている二人の姿を見て、「勇気を出してよかった」と思った。