第6章 4。
それでも構わない…私は多くを望まず、その場で思いついたことや考えを伝えようと思った。しかし、私を呼ぶリヴと、その背後にいる二人の女性の姿を見て、一度は進み出そうとした足が止まってしまった。
しかし、もう後戻りはできない。私はリヴの呼びかけに片手を上げて応え、腹に力を込め馬の手綱を引きながら歩き出した。一度見上げた空は、暗闇に覆われていた。
私はこの空を見上げながら帰るとき、どんな気持ちになるのだろうかと考え、少し口角を上げてから顔を戻し、前を見据えて歩みを進めた。
「さぁ…私、踏ん張れ…」
私は自分に向かって言い聞かせながら、少しずれたメガネを直した。