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空を見上げた。

第6章 4。




と出会い恋人同士になる前のリヴァイは、殺伐とした近寄りがたい雰囲気をまとっていた。しかし、彼女と恋人同士になってからは、その雰囲気も少しずつ和らいでいった。

しかし、が兵士を辞め、姿を消してからというもの、その雰囲気はと恋人同士になる前に戻ってしまったように感じている。

リヴァイ自身は気づいていないかもしれないが、あの頃と比べると、私やエルヴィンは申し訳なさと表現しきれない感情を抱き、心苦しい日々を何とか仕事で紛らわせているのかもしれない。

私もがいなくなったことで多くの感情や思考に気づかされた。リヴァイにとっては、私のものとは比べ物にならないだろう。

現在、彼がどのような感情や思考を抱きながら生活しているのか…想像することは簡単なようで難しい。私が計れるほど、リヴァイのに対する気持ちは軽くはないのだ。

「…何をしているんだろう…」

私はそう呟いて、すでに夕日が沈み、夜の帳が下り始めた空を見上げた。

私はこれからに何を話せば良いのだろうか。何を伝えたいのだろうか。何を話しても、を傷つけてしまうのではないかと不安だ。私が傷つく分には構わない。それを覚悟の上でこの場にいるのだから。

妥協しなければならないことは多い。しかし、ここまで来たのだから、できることを精一杯やり、本気で向き合おう。

「ハンジさーん!」

私はリヴたちが戻ってくる前に、に話したいことや自分の考えを整理しようと思っていた。しかし、実際にはただ他愛のない過去や思い出に思いを馳せていただけで、考えや思いを何もまとめることができなかった。

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