第6章 4。
やリヴたちのことを考えているように思い込んでいるが、実際には抱いてしまった「会いたい」という気持ちに歯止めが効かなくなっている。時には、抱いてしまった感情ほど厄介なものはないと実感していた。
「それじゃあ、今日のことを私が家族に説明するよ」
私はそう言って、二人に微笑みかけた。
そして、頭の中では「最悪だ…」と頭を抱える自分と、「腹を括れ」と自分を鼓舞するように言い聞かせる自分がいる。
どんなに考えても、未来は誰にもわからない。しかし、過去の自分がいて、その自分が選択したからこそ、現在の自分が存在する。
それならば、選択した事実と未来に悔いが残らないように、全力で向き合うことが大切なのかもしれない。
「「で、でも…」」
私が提案したことに戸惑った様子の二人は、声を揃えて言いながら顔を見合わせた。それでも、私は今日何度目になるだろうか、「大丈夫だ」という言葉と共に、笑顔を向けた。
すると、二人は一瞬躊躇したものの、やはり二人きりでは不安を感じていたのだろう。安心した様子で私に微笑みを向け、うなずいた。
「あ!あそこです!あの、小さな庭のある家です!」
そして、しばらくの間、私たちは無言で歩いていると、突然リヴが前方を指さした。私はその声に引き寄せられて視線を向けると、小さな庭のある一軒家が目に入った。その瞬間、私の心臓は早鐘のように打ち始め、心拍数が急激に上昇するのを感じた。
あそこにがいる。また会える。大好きだった後輩であり、親友に再会できる。そう思い始めた瞬間、「期待と不安」が全身を駆け巡った。しかし、ここまで来たのだから、もう引き返すことはできない。引き返さない。私は自分に言い聞かせるように、静かに頷いた。
が兵士を辞めて姿を消してから、彼女が生きているか死んでいるのかも定かではなかった。
生きていたとしても、どこにいるのかは分からない。
しかし、ウォールマリア襲撃やウォール・ローゼ、トロスト区襲撃の際には、「もしかしたら」と絶望感を抱いたこともあった。それは私だけではなく、エルヴィンやリヴァイも同じ気持ちだったに違いない。