• テキストサイズ

空を見上げた。

第6章 4。



私は今、かつて共に調査兵団の兵士であり、後輩で親友でもあった・の息子たちと一緒に、彼女の家に向かっている。

私が二人と出会ったことは、「偶然なのか必然なのか、それとも悪魔の悪戯なのか、天使の気まぐれなのか…」と考えながら、ふと顔を上げて空を見上げると、先ほどまで澄んだ青色だった空がいつの間にかオレンジ色に変わっていることに気づき、二人に出会ってからそれなりの時間が経過していることに内心驚いていた。

私はここに来るまでの道中で聞いた二人の話から、彼女が昔のことを二人に黙っている理由をすぐに理解した。

そして、当時を振り返ると、が兵士を辞め、何も告げずに姿を消して以来、調査兵団や事情を知るエルヴィン、私、そして彼女の恋人であったリヴァイのすべてが大きく変わってしまったことを実感した。

その中で「もし可能であれば、一度だけでいいから…また彼女の顔が見たい」と思った。今回のような機会は奇跡的と言っても過言ではないだろう。この先、生きていく中で再び訪れることもないだろう。

再会できたからといって、何かが変わるわけではなく、私に何かできるとは思えない。そして、今日の出来事は誰にも話さないつもりだ。いくら事情を知っているとはいえ、エルヴィンにも言わないし、ましてやリヴァイに伝えることなどできるはずがない。

私はそんなことを考えながら、ずれのないメガネをかけ直し、夕日に照らされた中で初めて馬に乗るリヴたちを見つめていた。楽しそうに笑う彼らを見て心が温まる一方で、同時に複雑な気持ちも抱いていた。

もしこのまま私が家を訪ねれば、余計な心配をかけてしまうと理解している。

私は当時、彼女から「脚を負傷し、復帰は不可能で、リヴを妊娠した」と聞かされたとき、何も言わせずに「引退しなさい」とはっきり告げた。

そして、リヴァイに正直にすべてを伝えるべきだと伝えた。私は、母と子の二人でリヴァイのそばにいてほしいと願っていた。ただ、それだけのことだった。しかし、彼女はそれを拒否し、兵士を引退し何も言わずに姿を消してしまった。

引退することは理解できても、姿を消す必要はなかったのではないかと、エルヴィンと私は話し合った。しかし、彼女は自分なりにリヴァイや我が子を思い、守ろうとしていたのだろう。

/ 288ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp