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空を見上げた。

第21章 19。



「偉いね。お互いをしっかりと思いやることができて、母さんはとても嬉しいよ。」
「リヴ、もう大丈夫だよ。理由はは 分からないけど、お父さんに会って抱きしめてもらってから、あまり気にしなくなったんだ」

私がそう言いながら二人の頭を撫でていると、ルアは深呼吸をしてそう言った。すると、リヴが「うん…分かってる」と小さく呟いた。

リヴは家族の中で唯一、巨人を見たことがない。見ないに越したことはないし、遭遇しないに越したことはない。

大人である私やシイナでさえ、受け入れがたい現実だった。

「ルアは運が悪かった」という表現は語弊があるが、できればこれからもできる限り、その現実を体験してほしくないと願っている。

それでも、ルアはリヴに向かって笑顔を向けている。以前の彼なら、巨人に関する話題には無意識に拒絶反応を示していただろう。

しかし、リヴァイさんに出会い、抱きしめてもらったことで、凍りついていた心が少しずつ溶け始めたのかもしれない。

「僕も気になっていたんだ。あの日の記憶はあまり思い出せないし、どうやってお母さんが死んだのかも思い出せない。だから…なんて言うのかな…これからはいろんなことを知りたいし、巨人のことも知りたい。お父さんがどうやって戦っているのかも知りたい。リヴも本当は知りたいんじゃない?」

「お前が大丈夫だって言うのなら、知りたい。母さんを責めているわけじゃないけど、これからはもっといろいろなことを知りたい」

ルアはそう言いながらリヴに微笑み、瞳に好奇心を宿していた。そして、問いかけられたリヴも同様に瞳に好奇心を宿し、ルアを見つめた後、私をじっと見つめてきた。

私は二人からの視線を受けて、何から話すべきか頭を悩ませた。しばらく考えた後、今の二人が理解できるであろうことを考慮して、口を開いた。

「そうだね、基本的に巨人と戦うのは壁の外に出る調査兵団が多いね。駐屯兵団と憲兵団は壁の中を守る役割があるし、それぞれの兵団には異なる役割がある。でも、お互いに全く関わらないわけではないよ。二人が生まれたばかりの頃、ウォールマリアが襲われたときには、この壁の中にいる兵士たちが力を合わせて戦った。この街が襲われたときも、多くの人が亡くなったけれど、頑張って戦ってくれた兵士たちのおかげで、私たちはまたこの街で暮らすことができているの。感謝しなくちゃね?」

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