第21章 19。
「ほら、喧嘩しないで。お手伝いありがとう。きっと、シイナも喜んでいるよ?疲れたでしょ。座って休んで」
そして、私がそう言うと、二人は言い争うのをやめ、睨み合いながら私の両側に座り、ベンチに腰を下ろした。
これまでも、こうして三人で過ごすのは日常の一部だった。しかし、最近はリヴたちが二人で過ごす時間が増え、少し寂しさを感じている。
そのため、今の状況にとても心温まるのを感じている。喧嘩が始まったとしても、ヒートアップしなければ、いつの間にか二人は仲良く過ごしている。
子どもは予想外の行動を起こすことがあるため、苦労も多いが、その分幸せや感慨深い瞬間を感じることも多い。
天気が良い。空は青く、風は心地よい。今感じていることは、些細なことだ。
しかし、これは非常に重要なことだ。決して当たり前の日常ではない。
シイナから「他に何かすればいいのに」とよく言われるが、私の体は思うように動かない。それに、私は何よりも「空を見上げる」のが好きだ。
理解されないかもしれないが、飽きることはなく、心が穏やかに過ごせる。
守ってくれる人がいるおかげで、穏やかに暮らすことができている。リヴたちには、そのことを今はまだ理解するのが難しいかもしれないが、これからの人生で実感してほしいと思っている。
「ねぇ、母さん?あのさ…」
「ん?なぁに?」
しばらくの間、私たちは三人で並んでベンチに座り、黙って空を見上げていた。すると、リヴは地面に届かない足をブラブラと揺らしながら、恐る恐る問いかけてきた。
私はその言葉に応じ、リヴの方へ顔を向けた。
「あのさ…あの、巨人を見るのは調査兵団だけなの?あ、いや…やっぱりいいや。」
リヴは静かにそう言い、質問を投げかけた。しかし、一度、反対側にいるルアへ視線を向けると、すぐに口を閉ざした。私はその様子を見て、横目でルアを見た。
「リヴ、気にしないで大丈夫だよ?」
「お前が良くても、俺は嫌だ」
すると、ルアは少し微笑みながら優しい声でリヴにそう言った。しかし、リヴは首を左右に振った。私はその二人の姿を目にし、微笑ましさを感じながら、二人の肩を優しく抱き寄せた。