第21章 19。
私たちは今、そばにはいないけれど、リヴァイさんの存在が家族を一つにしてくれたことを心から実感していた。
私は未だに、言い合いを続けるリヴとルア、そして時折二人を窘めているシイナの姿に目を向けた後、再び青く果てしなく広がる空に視線を移した。
きっと今、リヴァイさんは命を賭けて戦っている。壁の中の人類や、その人々の未来、仲間のために戦ってくれているのだ。
その中には当然私たちも含まれており、必死に守るために戦っている。そして、守れるかどうかわからない約束を守るために戦っている。その事実は、私の目の前で広がる何気ない光景が証明している。
今この瞬間も、彼は多くの仲間や物を失っているのだろう。
そう考えると、胸がかすかに締め付けられる思いがする。それでも、必ず再び帰ってきてほしい。
「ただいま」と言う彼に、「おかえりなさい」と笑顔で返したい。それが、決して表には出さない彼の痛みを少しでも和らげてくれれば、私も幸せだ。多くは望まない。
「母さん」
「お母さん」
私がそんなことを考えながら、一人で空を見上げて物思いにふけっていると、突然リヴとルアが声をかけてきた。その声を聞いて、空を見上げていた視線を声の方へ向けた。
すると、洗濯物を干していたはずのリヴとルアは、いつの間にかふてくされたような表情を浮かべて目の前に立っていた。
「あれ?もう洗濯物は干し終わったの?」
私はそう言いながら首を傾げ、二人の背後の様子を伺うと、シイナが一人で洗濯物を干し続けていた。その後、心の中でなんとなく状況を察し、苦笑いを浮かべた。
「リヴがちゃんとやらないせいで、終わらないから邪魔だって言われた」
「なんで、俺だけのせいにするんだよ!お前がいちいち細かくてうるさかったからだろ!?」
「君がちゃんとやらないから注意していたのに、そんなことも分からないの!?」
「うるさい、うるさい!お前のそういうところが本当に嫌い!」
すると、案の定、二人は互いに文句を言い始めた。
下手をすると、このまま取っ組み合いの喧嘩が始まりそうな気配を感じたので、私はひやひやしながら「まぁまぁ」と言って二人を宥め、自分が座っているベンチの空いている場所を両手で軽く叩いた。