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空を見上げた。

第21章 19。



「ねぇ、ちゃんとやってよ!皺が伸びていないから、やり直して!」
「伸びてるし、ちゃんとやってる!いちいち細かいんだよ!うるさい!」

「リヴは雑すぎるんだよ!細かくない!ちゃんとやってないから言ってるの!」
「ねぇ、手伝ってくれるのはありがたいんだけど、毎回喧嘩しないでほしいな。全然終わらないじゃん」

私は、言い合いをしながら洗濯物を干しているリヴとルア、そしてうんざりした表情を浮かべているシイナの姿を見つめ、一瞬眉をひそめ、思わず吹き出して笑ってしまった。

最近、リヴたちは率先して家事を手伝ってくれるようになった。特に洗い物は二人が担当してくれるおかげで、シイナの負担が大分軽減されていると感じている。

しかし、二人は本物の双子のように似ている部分が多く、基本的な性格は同じであるものの、譲れない部分はお互いに全く異なる。

そのため、手伝ってくれることはシイナにとってありがたいと思っているだろうが、二人の間には必ず小さな言い合いがつきものだった。

その結果、簡単に終わるはずの家事も、余計に時間がかかってしまうことが多かった。

現在も二人は頑張っているが、シイナの様子を見ると、呆れた表情を浮かべており、イライラしていることが容易に察せられた。

それでも、今の二人が存在しているのは、ひとえにリヴァイさんのおかげである。

彼とリヴたちが過ごした時間は短かったが、二人にとってその時間の長さは関係ないのだろう。次に帰宅したときのことを楽しみにしながら、自分たちにできることを探して取り組んでいる。

その姿勢は意識的な行動による部分もあるだろうが、リヴァイさんは二人の心に見えない「何か」を植え付けた。それは二人の中で確実に芽を出し、着実に成長している。

大したことは何もできない私だが、二人の母親として、そしてリヴァイさんの伴侶として、少しでも胸を張って生きていけるように見守っていこうと思う。

それは、シイナも同じ気持ちなのだろう。二人の姉として、また私たちの娘として胸を張って生きていけるように、呆れたり苛立ちながらも、我慢の限界が来るまでは二人と一緒に頑張っているのだ。

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