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空を見上げた。

第21章 19。



よほど、今日出かけるのが楽しみなのだろう。以前から今日の予定を決めており、シイナはこの日のために仕事を休んでくれた。

わざわざ休まなくても、彼女の仕事の休みの日まで待てばよかったのだが、リヴァイさんがいつ帰宅するかも定かではない。

そして何より、リヴたちが「いつ行くの?」と毎日のように尋ねてきていたため、急遽今日に決まったのだ。

そのため、楽しみにしていたリヴは朝からテンションが高く、落ち着きがなかった。普段は食事を残すことは決してないのだが、今日は特にテンションが上がっているようだ。

年相応の反応を見せており、その姿はとても愛らしかった。
リヴとは対照的に、ルアは落ち着いているように見えるが、普段よりそわそわしている。

とはいえ、「やるべきことを全て終わらせてから」と楽しみを後に取っておこうとしている様子が伺え、その姿は「ルアらしい」と感じられて、可愛らしく思えた。

私は二人の姿を見つめながら、早く食べないと二人が洗い物を終えられなくなると思い、食事を食べる手を少し早めに動かした。

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私は一人で庭にあるベンチに座り、空を見上げていた。

目の前に広がる青い空はどこまでも広く、美しい。最近、空を見上げることがこれまで以上に楽しさと安心感をもたらしている。

リヴァイさんが指名手配されていた時に見上げた空には、少し抱えていた不安感が私の中から滲み出ているように感じられ、美しいと思えなかった。

しかし、これから先も同じようなことがいくらでも起こるだろう。そのたびに不安を抱えていても、何も進展しない。意味のないことに時間を費やすよりも、意味のあることを自分なりに見つけていきたい。

「強くなりたい、変わりたい」と考えながら日々を過ごしていた。そして私は今、これまでとは異なる感情を抱いて生きている。

「(焦らなくて大丈夫。時間はあるから。)」

私はそのことを考えながら、心の中で呟いた。すると、私の体に優しい風が吹き抜け、まぶたを閉じた。しばらくしてまぶたを開けると、騒がしい声が響いている方へ視線を向けた。

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