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空を見上げた。

第21章 19。



私とシイナはその姿を見つめ合い、視線を交わし微笑んだ。

少しでも二人の不安が解消されるのなら、私たちはできる限りのことをしたい。二人が笑ってくれれば、それが私たちにとって何よりの安心材料になるのだ。

「ごちそうさまでした!」
「リヴ、まだ残ってるよ!出かけるときにお腹が減ったって言っても、何も買わないからね!全部食べなさい!それに、洗い物は二人の仕事でしょ?」

「そうだよ!それに、洗い物が終わったら洗濯も手伝うんだよ!」

すると、リヴは食事を残し、手を合わせた。そして、パジャマから着替えるためにリビングから自室へ戻ろうとしたところ、シイナとルアに止められた。

「えー、洗い物はするけど洗濯はしたくないな」
「手伝わないなら、僕たちだけで行ってくるよ。リヴは一人で留守番ね!」

リヴは顔をしかめて不満を漏らした。その時、ルアは一言はっきりと言い放った。そして、そう言われたリヴは、慌てた様子で戻って席に座り直した。

そして、スプーンを手に取り、お皿の上に残っていた食事を再び食べ始めた。

「わ、分かったよ!お前はセンスがないから、ダサいティーカップを選びそうだから!」
「僕の方がセンスがいいと思うなぁ。センスがないのはリヴの方だよ」

それから、またリヴが余計な一言を言うと、ルアは顔をしかめて言い返し始めた。私はその様子を見て、苦笑いを浮かべながら自分の食事に始めた。

食事を続けながら、目の前に座っている二人の様子を窺っていると、彼らは食事を止めて睨み合っていた。

「はいはい、喧嘩は後にしてください。それとも、二人ともお留守番でいいの?私とお母さんだけで行ってくるよ?二人はお留守番をして、洗い物と家事を終わらせておいてください」
「「やだ!絶対いやだ!」」

「それなら、早く食べて! やることを全部終わらせて、出かけるよ!」

そんな二人の険悪な雰囲気を和らげるために、見かねたシイナはため息をつきながら言った。すると、二人は息を揃え、同時に口を開いた。それから、「お前が悪い」「リヴが悪い」と言い合いながら食事を再開した。

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