第21章 19。
リヴたちも父親の安否を心配しており、不安を感じることがあるため、少しでも安心できるようにと、頻繁に号外を持ち帰ってくれるのだ。
実を言えば、今リヴたちの前で読んだ号外のほかに、シイナはもう一枚の号外を持ち帰っていたのだ。
それは「調査兵団の活動を全面凍結し、全調査兵を拘束した。その中で、一部の兵士が捕まらずに逃げた」という内容の号外だった。
その中には、逃げた兵士の中にリヴァイさんの名前があり、彼が指名手配されて号外の一面を飾っていた。さすがにその号外をリヴたちに見せるわけにはいかず、私とシイナの二人で読み、隠すことにした。
私はそれを読んだとき、凄まじい不安に襲われ、パニックになった。しかし、何度もシイナに「大丈夫だ」と励まされ、それを自分に言い聞かせてきた。
無事であることを信じていた。そして今日の号外を見て、心から安心している自分がいた。もう隠してある号外は必要なく、処分すべきだろう。
「二人とも、お父さんは大丈夫だよ。次にいつ帰ってくるかは分からないけれど、きっと帰ってきてくれるよ。信じよう?」
「「うん、分かってる」」
そこで、私は再び安心させるように声をかけた。すると彼らは複雑そうな表情を浮かべながら、声を揃えて返事をし、私に笑いかけ、食事を再開した。
子どもながらに思うことや、敏感に感じることがあるのだろう。それは大人よりもはるかに大きなものかもしれない。
私はその姿を見て、できることなら余計な不安を抱かせたくないと思った。しかし、こればかりは仕方がない。リヴァイさんも、少なからず不安を抱えているはずだ。
その中で私たちができることは「信じて帰りを待つこと」だけだ。「信じる」ということは簡単ではないが、それを乗り越えれば、これまで以上に幸せを感じることができるようになるはずだ。
「ほら、早く食べて、しっかり体力をつけなさい。今日は家事が終わったら、お父さんが帰ってくるときのために日用品を買いに行くんでしょ?」
「あ、そうだった!」
「お父さんのためのティーカップを買わなきゃ!」
すると、元気がないリヴたちを見かねたシイナがそう言うと、二人はハッとしたように彼女の言葉に反応し、顔を見合わせ、頷き合った。