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空を見上げた。

第20章 18。



「これから、僕たちは…兵長も含め、どうなるんだろうね。誰が敵で、どこに潜んでいるのかも分からない。いつ、どこで死んでもおかしくない状況なんだよね…」

「そうだな、できることなら自分の死に際なんて考えたくもねぇよ。でも、兵長はきっとすべてを想定して、これから待ち受ける現実に立ち向かっていくんだろうな」

俺はアルミンとジャンの話を耳にして、これからのことを想像した。

現在、アルミンたちが従事している任務は、俺とヒストリアの護衛だ。もし俺たちに何かあれば、アルミンたちだけでなく、兵長も命がけで俺たちを守るために動くだろう。

そう考えたとき、事態が動いた際に、それぞれが何を考えるのだろうかと考えた。

そして、ジャンの話を聞いたとき、「兵長はこれまで以上にさまざまな感情を抱くことになるだろう」と思った。

「絶対に死ぬわけにはいかない…誰を犠牲にしてでも生きたいって思うよな。でも、兵長は仲間を見捨てたりはしないって思う。俺はバカだから、大した役には立たないかもしんねぇけど…生き抜いて、いつかさんに会ってみたいよ」

俺はそう考えながらコニーの話を聞き、心の中で「同感だ」と思った。アルミンやジャンも「同感だ」と頷いている。

「さんや息子さんたちに会ってみたい」というその願いは、何よりも他愛のないものだ。しかし、他愛のない願いだからこそ、叶えることは非常に難しいと感じる。他愛のない願いほど、簡単には実現できないものだ。

それは、これまで強く実感してきたことだ。失ったものや人は、二度と戻ってこないのだ。

それは変えようのない現実であり、それが生きていくということだと理解していても、なんと残酷な世界なのだろうと感じてしまう。

「まぁ、でも、どうなるか分からないけど、さっきさんや家族の話をしていたときの兵長は幸せそうだったから、僕は心から安心したよ。最近の兵長は、今まで以上に厳しいって感じていたし、気を張り詰めているように思ってたけど、それだけこの先のことを真剣に考えているんだなって感じた」

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